商品を仕入れ、出品し、撮影し、梱包して納品する。物販には、販売そのもの以外にも多くの作業がある。合同会社ONE.UOHは、そうした作業の代行や物販に関する相談、就労支援との連携に取り組んできた。代表の神野賢氏に、創業の経緯から現在の事業、さらに農業をめぐる構想まで聞いた。
QUESTION 01
創業のきっかけを教えてください。
個人での物販から法人設立へ。創業のきっかけを教えてください。
法人を設立する前は、個人事業主として別の仕事にも取り組んでいました。不動産案件では、一件契約を結べば20万、30万もらえるという内容でしたが、営業が苦手で、2ヶ月、3ヶ月の間に一件も取れなかったといいます。自分のペースでできる仕事を探すなかで、知り合いの先輩から「言われたことができるんやったら、せどりをやってみろ」と勧められました。
実際にせどりを始めると、前の仕事よりも結果が早く出ました。それが続けるきっかけになり、せどりをきっかけに法人を設立したという流れです。その後、物販を続けるなかで就労支援を知り、初めて物販が人の役に立てる仕事を提供できたと感じたそうです。就労支援施設に作業を依頼する際も、教え方や進め方は初めてだったため、試行錯誤しながら取り組みました。
QUESTION 02
御社はどのような会社ですか?
現在はどのような仕事を手がけている会社なのでしょうか。
現在は、主に中古品を扱う物販に関わる仕事として、FBAの代理納品を行っています。お客様から商品を大阪の事務所に届けてもらい、Amazonへの登録、撮影、梱包を行ったうえで、FBAの倉庫へ送る流れです。お客様にとって手間のかかる作業を引き受け、めんどくさいところを基本的にこっちに任せてくれてるという形で業務を行っています。
作業は通常の出品だけではありません。返品やイレギュラーがあれば再撮影をしたり、商品が手元に戻って破損していた場合には、状態を示す写真を撮ったりします。お客様の手元に荷物が戻らず、作業に時間を割かなくてよいことが、代理納品の役割です。商品はリサイクル品や雑貨などで、物販コンサルや就労支援への業務依頼にも取り組んでいます。
お客様のめんどくさいところを基本的にこっちで代行するっていう形です。
QUESTION 03
他社との違い・強みは何ですか?
商品を見て判断する力や、物販の作業を支えるノウハウについて教えてください。
強みの一つは、商品が売れるかどうかを見極める力です。依頼を受けた際に「これは売れないんですか」と聞かれることがあり、商品を見れば、どれくらいの金額で売れる可能性があるか、利益を取れるかを判断できるといいます。これまでさまざまなものを販売してきた経験から身についた、肌感覚による判断です。本人は「これは教えることができない感覚」と話しています。
もう一つは、Amazonの仕組みや納品の進め方を理解していることです。Amazonを扱ったことがない人からは、仕組みが分からないという相談がある一方、神野氏にとっては普段から使っている仕組みです。代理出品や倉庫保管についても、出品の手間を減らしたい、家に商品を置きたくないといった相談に対し、状況に応じて方法を考えます。相談すれば解決できることが、ノウハウとして蓄積されています。
QUESTION 04
どのようなお客様に選ばれていますか?
副業を始めたい方から就労支援まで、どのようなお客様が相談に来るのでしょうか。
物販を始めたい人や、Amazonで販売したい人から相談も受けています。紹介を通じて相談が来ることもあり、すでに何かを売りたい人だけでなく、メルカリを使っているものの、商品をどう見つければよいか分からない人もいます。副業でどれくらい収入を得たいかを相談される場合もあり、物販を始める入口として選ばれています。
就労支援事業者からは、仕事を依頼するだけでなく、自社で物販を始めたいという相談があります。神野氏がコンサルの目的としているのは、依頼を受け続けることではなく、自走してもらうことです。新しい事業として自分たちで利益をつくりたいという事業者に、物販の取り組みを伝えています。そのほか、売りに行くと十分な価格にならない商品を代理販売してほしい人や、会社の撤退、不用品の処分について相談する人もいます。
QUESTION 05
一番印象に残っている仕事を教えてください。
物販と就労支援をつないだ仕事で、特に印象に残っていることは何でしょうか。
これまでの仕事で一番印象に残っているのは、就労支援に物販をつないだことです。せどりは自分の利益を上げるための仕事で、食べていくために販売しているという感覚が強く、それが誰のためになっているのかは明確ではなかったといいます。就労支援の現場に物販の仕事を依頼し、作業を担う人たちの単価が上がったり、できる仕事が増えたりしたことで、喜んでもらえました。
物販を通じて就労支援のためになることができるのではないかと考え、現在も取り組んでいますが、まだ十分に良い循環に乗るところまでは到達しておらず、試行錯誤が続いています。代理納品の仕事では、仕入れ方や進め方によって利益率や販売率が変わることにも改めて気づきました。
QUESTION 06
お客様からよくある質問を教えてください。
料金や納品までの期間、対応地域について、よくある質問を教えてください。
よくある質問の一つが、Amazonの代理納品にかかる料金です。文字起こしでは「1.900円から1500円」となっており、状態や大きさによって異なると説明されていますが、金額の並びが不明確です。コンサルについては、1年契約の場合は1か月10万円、半年の場合は1か月15万円という説明がありました。
納品時期については、商品が届いてからおおむね1週間以内です。ただし、負担を抑えるため、20点、30点ほどまとめて送る形を想定しています。対応地域については、商品を送ってもらう形であれば地域は問題にならず、東京などからの依頼も可能です。一方、コンサルや就労支援では、撮影や店舗周りを実際に見ながら教える必要があるため、 オンラインだけでなく、現地へ出向く ことも含めて相談となります。
QUESTION 07
農業を中心としたモデルとは、どのようなものですか?
物販の力を農業に生かす構想とは、どのようなモデルなのでしょうか。
考えているのは、自社で農業を行うことではありません。物販の力を生かし、農家が生産したものを販売する仕組みをつくることです。農家では、生産物を捨てることがある一方、販売のためのプラットフォームや仕組みには課題があります。そこで、販売代行や商品供給のためのサービスをつくれないかと考えています。農家さんに還元するプラットフォームにできれば面白い、という構想です。
実現には、配送中に商品が傷んだり腐ったりすること、単価を十分に高くできないことなど、解決すべき課題があります。そのため、まだ検討中の段階です。農業とは別に、物販に関する出品代行や処分の相談は、より現実的なサービスとして考えています。不用品について、売れるものと売れないものを見極め、地域ごとの処分方法も踏まえて対応できれば、入口から出口までを整えられます。就労支援を出口で活用できれば、地域や社会への貢献にもつながると考えています。

