営業代行では、アポイントの数が注目されがちである。株式会社Crafiaが目を向けるのは、その先にある商談の質だ。通信業界やコンサル会社で営業を経験してきた代表の田村寛太氏は、リード提供や企業同士のマッチングを通じて、依頼企業に寄り添う営業支援を目指している。
QUESTION 01
創業のきっかけを教えてください。
営業代行のあり方に疑問を持ったことが、創業にどうつながったのでしょうか。
創業のきっかけは、営業代行のあり方に対する疑問でした。私は代表とともに、会社員として通信業界やコンサル会社を経験し、その後に会社を立ち上げました。営業会社を見ていくなかで、アポイントを取る力が強みになる一方、「アポさえ取れていればいい」という考え方に偏っているように感じる場面がありました。
アポイントを取ること自体は、営業会社がキャッシュをつくるうえで大きな力になります。ただ、それによって本当にお客様のためになっているのか、疑問が残ることもありました。数を追うことが先になれば、アポイントを受ける側にとって負担になる可能性もあります。私たちは、営業力や訴求力を自社のためだけに使うのではなく、依頼企業にとって意味のある支援にしたいと考えました。
そこで、リード提供や企業同士のマッチングなどを含め、どの観点から見てもご迷惑や不幸がない営業支援を目指しました。代表と話し合ったのは、お客様にもっと寄り添える営業代行会社をつくりたいということです。営業代行業界にある会社の在り方に疑問を持ったことが、私たちの創業につながっています。
QUESTION 02
営業代行の中でも、具体的にどのようなサービスをされていますか?
量ではなく質を重視する営業代行とは、具体的にどのような支援でしょうか。
当社は、端的に言えば量より質に目を向けた営業代行会社です。とりあえず母数を増やすことが重視される領域よりも、一件当たりの売上が大きいサービスや、ストック収益が大きいサービスとの相性がよいと考えています。特に、BtoBの領域では、アポイントの数だけでなく、その後の商談につながる可能性が重要になります。
支援内容は、リード獲得と新規商談を組み合わせた営業支援です。リードを提供して終わりではなく、一次商談でサービス説明などを済ませたうえで、ニーズを確認してからおつなぎする形を取っています。依頼企業のサービス内容を踏まえ、商談相手との接点をつくり、次の提案に進みやすい状態を整えることを重視しています。
そのため、母数や間口を広げることだけを目的にはしていません。質のほうが大事だという考えに共感いただける企業に対し、リード提供から新規商談までを支援します。営業代行を単なるアポイント獲得としてではなく、商談の質を担保する営業支援として提供している点が、当社のサービスの軸です。
QUESTION 03
他社との違い・強みは何ですか?
質を重視する姿勢は、実際の成果にどのように表れているのでしょうか。
営業代行会社は多く、強みを言葉だけで比較するのは難しいと感じています。だからこそ、当社が差別化のポイントとしてお伝えできるのは、実数値や実績です。母数をむやみに広げるのではなく、依頼企業にとって意味のあるアポイントやリードを提供し、その結果を数値で確認していくことを大切にしています。
実際に、あるマーケティング支援会社を3カ月間ご支援した際には、当社からトスアップした段階での成約率が44%に達しました。テレアポ代行や営業代行、アポ代行系のサービスでは、受注率5%、10%辺りが相場感だと私は捉えています。そのなかで、間口を狭めてでも、しっかり質を担保したアポイントを提供することに意味があると考えています。
もちろん、すべての企業に同じ方法が合うわけではありません。ただ、量より質を重視する企業に対しては、成果を出すために必要な接点のつくり方を一緒に考えられます。母数や間口を狭める代わりに質を担保するという姿勢と、それによって得られた数値や喜びの声が、当社の強みになり得ると考えています。
QUESTION 04
どのようなお客様に選ばれていますか?
量より質を重視する営業支援は、どのような企業に選ばれているのでしょうか。
当社がご支援しているのは、基本的にBtoB事業者のみです。なかでも、リード獲得において量より質が大事だという考えに共感していただける企業が中心になります。営業の接点を増やすことだけでなく、その後の受注や継続的な関係まで見据え、商談の質を重視したい企業に選んでいただいています。
具体的には、ストック型で一回の受注後のLTVが長いSaaS業界の企業や、受注単価が大きくなりやすい動画制作・映像制作の企業などです。こうしたサービスでは、単純にアポイントの数を増やすよりも、自社の提供価値に合う相手とつながることが重要になります。商談の前段階で、相手の関心やニーズを見極めたい企業との相性がよいと考えています。
業種を一つに限定しているわけではありませんが、傾向としては無形商材を扱う企業が多いです。SaaSや映像制作など、説明や提案を通じて価値を伝えるサービスであれば、商談の質が結果に影響しやすくなります。そうした企業に対して、量だけではない営業支援を提供しています。
QUESTION 05
一番印象に残っている仕事を教えてください。
長く続く支援のなかで、特に印象に残っている取り組みを教えてください。
最も印象に残っているのは、あるマーケティング支援会社へのご支援です。当社が会社を立ち上げて間もない時期にご支援を始め、その後も長くお付き合いをいただいています。先ほどお話ししたように、当社からトスアップした段階での成約率が40%を超えている企業であり、営業支援の成果という点でも記憶に残っています。
この仕事が印象的なのは、当社だけが一方的に動いた事例ではないからです。先方も「質を担保したい」「質にも目を向けたい」という考えを持ち、改善のポイントを数多く教えてくださいました。私たちもその内容を受け止めながら、営業周りの進め方を見直しました。発注者と受注者という関係にとどまらず、営業を強化するための取り組みを一緒に進められたことが大きかったです。
どちらか一方だけが頑張るのではなく、双方が質に目を向けて高めていく。その姿勢に共感いただける企業であれば、実績を出すために当社もとことんコミットします。一緒に質を高める取り組みができたこと、そして実際の成約率にもつながったことが、この仕事を特に印象深いものにしています。
QUESTION 06
お客様からよくある質問を教えてください。
料金やサービスの進め方について、よく寄せられる質問を教えてください。
よくいただく質問は、料金の仕組みと、当社がいう「質」の基準についてです。料金は一律に決めているのではなく、成果報酬型と定額制のパッケージがあり、どちらが適しているかを概算したうえで、お見積もりを出して相談します。
- 料金はどのように決まりますか?
- アポイント実施ベースの成果報酬型と、定額制のパッケージがあります。どちらが適しているかを一度概算し、お見積もりを出して相談します。
- 依頼してから、いつ稼働できますか?
- 要望に応じますが、最短で翌日から稼働できます。当日からでも問題ありません。
- 対応地域や利用条件はありますか?
- 基本的にオンラインで対応しているため、全国対応です。利用条件は特段ありません。
「なぜ質が高いのか」「何をもって質が高いと言っているのか」という質問も多くあります。当社は、リードを提供して日程を調整するだけではなく、依頼企業のサービス内容を確認し、ニーズが合っているかを見極めてからおつなぎしています。対象外と判断するケースもありますが、量より質という考え方をサービスの中で実践しています。
QUESTION 07
今後のビジョンを教えてください。
営業支援の幅を広げるために、今後どのような展開を考えているのでしょうか。
今後は、営業代行事業を強化するとともに、営業周りに役立つ無料SaaSを増やしていきたいと考えています。現在は、SFAとフォーム営業ツールの2つを無料SaaSとして展開しています。営業活動の一部を支援するツールを増やし、企業が自社の営業を強化するための選択肢を広げていくことが、これからの方向性です。
また、SNSの運用ツールなども無料で展開できたらと考えています。具体的には、SNSの自動投稿や投稿内容の作成を支援するツールです。リード獲得など営業周りに基づいたSaaSを増やし、現在利用いただいている方々からも「こういうものが無料で使えたらいい」という声をいただきながら、必要なサービスを考えていきます。
最終的には、営業周りを強化したい企業に幅広く役立てる存在になりたいです。営業に予算をかけられる企業だけでなく、予算をかけにくい企業にもお役立ちしたいと考えています。無料SaaSを展開しながらさまざまな企業との接点を増やし、損得勘定抜きで「ご相談ください」と言える、気軽に頼ってもらえる会社を目指します。


