新規事業の売り方に悩む経営者が、オンライン上で課題を語る。株式会社エグゼマッチでは、運営側だけでなく会員も加わる壁打ちの場で、ターゲットや営業先を整理していく。猪谷進介代表取締役が目指すのは、つながるだけで終わらず、一社一社の成長に入り込めるコミュニティである。
QUESTION 01
創業のきっかけを教えてください。
人脈のない状態での独立経験が、創業にどうつながったのでしょうか。
創業の背景には、私自身がウェブマーケティングで独立した際に、相談相手も人脈もないまま始め、遠回りをした経験があります。最初は勢いで独立したため、闇雲に動くしかありませんでした。そんな中で経営者の方と出会い、ウェブマーケティングに関心のある方を紹介してもらったことで、横のつながりや人のつながりの重要性を強く感じました。
その経験から、同じように相談相手がいない人が、横のつながりをつくれる場所を用意したいと考え、コミュニティ事業を中心に法人を設立しました。独立前は都内の信用金庫で働き、20代を通じて金融機関に勤めていましたが、やりたいことを実現しにくい環境だと感じ、30歳という節目に転職を決めました。その後、ウェブの知識と金融の経験を将来掛け合わせられるかもしれないと考え、SEO対策に強みを持つ会社へ移り、1年後に個人事業主として独立しました。
QUESTION 02
御社はどのような会社ですか?
ウェブマーケティングとコミュニティ、それぞれの事業内容を教えてください。
当社は、ウェブマーケティング事業とオンラインコミュニティ事業の二本柱で活動しています。ウェブマーケティングでは、サイト制作、集客のためのSEO対策、SNSの運用代行、広告関連などを扱っています。その中でも、サイトへの集客に関わるSEOに強みを持って取り組んでいます。
もう一つが、ビジネス向けオンラインコミュニティの運営です。複数のコミュニティがあり、それぞれでコンセプトやテーマを変えています。単に人がつながるだけではなく、成長できる環境や協業先を見つける環境をつくることを意識しています。コミュニティの中で課題を相談したり、学んだりできるように、つながりの先に成長がある場を運営しています。
QUESTION 03
他社との違い・強みは何ですか?
SEOとコミュニティ、それぞれで大切にしている柔軟性とは何でしょうか。
ウェブマーケティングでは、SEO対策を中心に受けています。当社は自社メディアを運営しており、Googleが何を求めているのか、施策が上位表示につながるのかを継続的に試しています。そこで実際に結果が出ている施策を、お客様への提案に生かせる点が特徴です。効果を保証するものではありませんが、自社メディアを実験の場として活用しているため、検証を踏まえて提供しています。
記事制作は、効果を見るなら6か月ほどの期間で考えてほしい一方、記事ややり取りに不満があれば、1か月で更新しない選択もできます。予算に応じて1本単位から受け付けるなど、柔軟性を重視しています。コミュニティでも、課題相談会やセミナーの録画・アーカイブ化、士業への相談サービスなどを整えています。必要だと思うサービスはその日に導入することもあり、完成することのないコミュニティとして拡充を続けています。
QUESTION 04
どのようなお客様に選ばれていますか?
ウェブマーケティングとコミュニティでは、どのようなお客様が多いのでしょうか。
ウェブマーケティングのSEO対策では、業種を限定していません。建設業、不動産、メディア、SEOに取り組む会社など、BtoB・BtoCを問わず幅広い業種から依頼があります。規模としては中堅から上場企業が多く、自社にマーケティング担当者はいるものの、コンテンツをつくるリソースが足りないため、記事制作を依頼したいという相談が多いです。
オンラインコミュニティは、スタートアップから一定規模までの、成長過程にある経営者を主な対象としています。組織づくり、人手不足、生産性、売上、キャッシュフローなど、さまざまな課題を抱える方が、課題を一つずつ整理しながら次のステージを目指せるようにしたいと考えています。業種では、オンラインで相談しやすいBtoBの無形商材を扱う会社が多い傾向です。
QUESTION 05
一番印象に残っている仕事を教えてください。
コミュニティの壁打ちが、会員の事業にどう生かされたのでしょうか。
印象に残っているのは、オンラインコミュニティで行った壁打ちサービスです。ある経営者の方から、新規事業として扱うサービスをどのように売り込めばよいかという相談がありました。運営陣だけでなく、壁打ちが得意な会員にも協力してもらい、その場に参加できる会員が一緒に話を聞きました。相談者が抱えている課題を質問で掘り下げ、参加者からさまざまな意見を出していきました。
そのときは6人の経営者が壁打ち相手になりました。サービスの内容を参加者全員で理解し、どのような相手をターゲットにするか、どんな場面で使ってもらうかを話し合いました。後日、その日の内容をまとめてフィードバックしたところ、相談者は早速提案を行動に移しました。ターゲット層が明確になり、狙う相手に向かって動けるようになった結果、仕事につながったという報告を受け、うれしく感じました。
QUESTION 06
お客様からよくある質問を教えてください。
料金や納期、コミュニティの利用条件について教えてください。
ウェブマーケティングでは、記事制作の料金や提供までの期間について聞かれることが多いです。記事制作は1記事3万円が基本で、予算に応じて本数を柔軟に調整しています。サイト解析は月額10万円からで、どこまで解析や施策を行うかによって変わります。記事制作は、キーワードの設定、構成の作成、お客様の確認、記事制作、納品までを逆算し、基本的に1か月の流れで進めます。
- オンラインコミュニティの料金はいくらですか?
- 月額5,000円(税抜き)と月額1万円(税抜き)の2つがあります。月額1万円の方は法人代表者のみ、月額5,000円の方は経営者、執行役員以上、個人事業主が対象です。現在の価格は割引価格で、サービス拡充や会員増加に応じて段階的に変更する予定です。
- 利用できる地域や契約期間を教えてください。
- オンラインで利用でき、全国に対応しています。契約期間は現在すべて3か月更新です。コミュニティは入ってみないと分からないことも多いため、実際に利用して自分に合わないと判断した場合は、3か月で更新しない選択ができるようにしています。
QUESTION 07
今後のビジョンを教えてください。
コミュニティを通じて、どのような成長環境をつくりたいのでしょうか。
今は新しい事業を増やすよりも、まずコミュニティをさらにブラッシュアップしたいと考えています。長期的には、一社一社の状況により深く入り込みたいです。信用金庫時代に経営者の決算書を見て、さまざまな悩みを知った経験があるため、事業を改善するには現状を把握することが大切だと考えています。信頼関係を築き、財務の観点も踏まえて、正しいキャッシュの使い方や資金調達、投資を一緒に考えられる環境を目指します。
長期ビジョンは、学び、課題相談、相談できる環境、運営側の伴走がコミュニティ内で完結し、企業が次の段階へ進める場所を確立することです。人数だけを上限として追うのではなく、自分たちができる範囲で運営しながら、各コミュニティが盛り上がっている状態を大切にします。投稿頻度などから活発さを確認しつつ、企業成長がこのコミュニティで完結できる環境をつくっていきたいと考えています。



