ホームページは、公開しただけでは動き続けない。株式会社ネオネスは、制作後の運用まで含めたサブスク型のサービスを展開している。代表取締役の居相勇佑さんは、Web事業に加えて、農家から仕入れたもち米と小豆を使う赤飯販売にも取り組む。二つの事業を始めた背景と、これから描く構想を聞いた。
QUESTION 01
創業のきっかけを教えてください。
信用金庫からWebの世界へ進み、創業に至ったきっかけを教えてください。
創業を考えた最初のきっかけは、信用金庫で働くなかで、自分で責任を持って事業をしたいと思ったことです。営業の仕事は楽しかった一方で、働き方や将来について思うところもありました。不満を持ちながら続けるよりも、自分で会社をつくった方が、夢に近づけるのではないかと考え、信用金庫を退職しました。
その後、地元を離れて専門学校に進み、Webやマーケティング、動画編集、デザインなどを学びました。もともとWebやパソコンが特別好きだったわけではありませんが、起業を考えたときに、自分にはWebやITしかないと思ったのが正直なところです。専門学校で学んだ後、Web系の会社に就職し、営業を経験しました。
その会社では、県外の拠点を立ち上げる話があり、私は知り合いのいない広島へ行くことを決めました。広島で営業をしながら経験を積み、前職を退職して、現在の会社を立ち上げました。振り返ると、会社名や事業内容も、考え抜いて組み立てたというより、パッと思いついて、これはいけると思った方向へ行動したという流れでした。
QUESTION 02
御社はどのような会社ですか?
Web事業と赤飯事業を展開するネオネスについて、現在の事業内容を教えてください。
株式会社ネオネスは、Web事業と赤飯事業の二つを軸にしています。Web事業ではホームページを制作し、サブスク型で毎月運用しています。ホームページを作って納品して終わりにするのではなく、公開後も更新しながら、問い合わせや認知、売上につながるように支援することを大切にしています。
サブスク以外では、単発で制作して納品する案件にも対応しています。Webを中心に、SNSやグラフィック、チラシのデザインなどの依頼にも対応しています。基本的には私が窓口となり、依頼内容を社内に共有し、必要に応じて業務委託のデザイナーと一緒に進めます。制作と営業を分けながら、少しずつ窓口の仕事も任せるようにしています。
もう一つが、赤飯の販売事業です。農家さんから直接もち米と小豆を仕入れ、それを赤飯にして、現在はブース出店を中心に販売しています。これから卸しも始める予定です。Web事業とは内容が異なりますが、どちらも新しい価値を届けたいという思いにつながる事業だと考えています。
QUESTION 03
社名の「ネオネス」には、どのような由来がありますか?
新しい価値を届けたいという思いは、社名にどのように込められているのでしょうか。
「ネオネス」は、二つの言葉を掛け合わせてつくった名前です。「ネオ」には新しいという意味があり、「ワーシネス」には人や企業の価値という意味があります。私たちが関わることによって、人や企業が世に出ていき、そこに新しい価値を届けたいという思いから、この名前を考えました。
社名を思いついたのは、露天風呂に入っているときです。いい名前だと思い、調べてみたところ、「ネオネス」という単体の名前は見当たりませんでした。似た名前の化粧品はありましたが、社名とは異なるものだったため、この名前に決めました。名前を先に思いつき、その意味を事業に重ねていったというより、ひらめいた言葉に、人や企業の価値を新しくするという願いを込めています。
QUESTION 04
他社との違い・強みは何ですか?
価格とサービス内容、そして居相さんの人柄。ネオネスの強みを教えてください。
他社との違いとして、私はまず価格の安さと、サービス内容の多さを挙げています。ただ、安さだけで勝負しようとしたわけではありません。これだけのサービスを含めてこの金額なら、価格以上の価値を提供できるのではないかと考えた結果、現在の価格になりました。サブスクは月額8,800円で提供しています。
もう一つは、私自身の人柄です。広島では自分から電話をかけ続けるような営業よりも、紹介や代理店さん経由で仕事につながることが多く、話をした方から「それをやりたい」と言っていただくことがあります。現在は、サブスクを始めてから契約が16社になり、1年で50社を目指しています。
サービスを気に入っていただけることは、理想的な状態だと思っています。一方で、私がいなくなったら仕事が来なくなるのではないかという課題も感じています。そのため、サービスの価値だけで選ばれる状態をつくり、属人化を減らしていくことが今後の課題です。
QUESTION 05
どのような業種のお客様に価値提供しやすいですか?
業種はさまざまとのことですが、特に効果を届けやすいお客様はどのような方でしょうか。
特定の業種に絞っているわけではなく、現在のお客様の業種もさまざまです。ただ、サブスク型のサービスでは、運用の一環として、狙いたいキーワードに合わせたブログ記事をこちらで作成し、更新していきます。そのため、検索を通じて来店や問い合わせにつなげたい、店舗を構えている方には、効果が見えやすいと感じています。
実際に、マーケティング会社のサイトを運用したほか、鍼灸院のサイトでは、運用開始から3カ月目に、取りたいキーワードが3位以内に入ってきました。もちろんすべての業種で同じようになるわけではありませんが、検索する人がいて、地域やサービスとの接点をつくりやすい事業は、取り組みの変化を確認しやすいと考えています。
ホームページは、作って終わると、お客様自身が更新しない限り放置されてしまいます。更新されなければ、サイトは埋もれていきます。私たちは、そこを毎月動かす仕組みまで含めて提供しています。業種を限定するよりも、ホームページを持っているが動かせていない方に価値を届けやすいサービスだと思っています。
QUESTION 06
シンプルにサブスクだけだったら何ができるんですか。
月額のサブスクには、具体的にどのような内容が含まれているのでしょうか。
ネオネスのサブスクは、ホームページを持てるだけではありません。サイトを制作したうえで、毎月お客様のブログを更新します。記事の内容もこちらで考えて作成し、更新まで行うため、お客様が毎回「何を書けばいいか」と考えたり、自分で作業したりしなくても、サイトが動き続ける仕組みになっています。
基本的には、お客様がサイトを放置していても、毎月最低限動く状態をつくることがサービスの考え方です。月額8,800円のなかに、サイト制作とブログの更新が含まれています。お客様との細かなやり取りまで含めて対応する場合は、別のオプションとして考えていますが、まずはサイトを作り、継続的に更新するところまでを一つのプランにしています。
一般的には、サイト制作と運用、記事作成などを別々のオプションにする形もあります。私たちは、ホームページを公開した後に成果が出るようにすることまでが仕事だと考えているため、運用を最初から含めました。問い合わせや認知、売上につながる変化を、お客様と一緒に見ていけることが、このサブスクの役割です。
QUESTION 07
今後のビジョンを教えてください。
Web事業と赤飯事業、それぞれについて、これからのビジョンを教えてください。
Web事業では、サブスク型ホームページの顧客を1,000社まで増やしたいと考えています。その規模になったら、サブスクのホームページを残しながら、顧客である経営者同士のマッチングやコミュニティをつくりたいと思っています。ホームページを通じてお客様を集め、今度はお客様同士をつなぐことで、そこから新しいシナジーが生まれる状態を目指しています。
その際には、現在の月額費用を1万円にして、コミュニティなどの付加価値を加える案も考えています。ただし、これはまだ検討中の構想です。Webだけでは厳しいと感じるなかで、単に制作を続けるのではなく、お客様が集まる仕組みを生かして、経営者同士のつながりへ広げていきたいと考えています。
赤飯事業については、5年後に上場させることを目標にしています。出身地である岡山県津山市で雇用を生み、地元に貢献することが夢です。赤飯をつくる仕事そのものに興味を持つ人だけでなく、上場企業で働きたい、この会社で働いてみたいと思う人が現れることで、地元に人が残るきっかけをつくりたいと考えています。




