検査センターの業務を支えるシステムでは、手作業で行っていた検査結果の処理を仕組み化し、検査によっては効率を大きく高めた。ジーイーエム株式会社は、業務系システムの開発・保守を軸に、リユースやレンタルオフィスにも取り組む。自社でも店舗やサービスを運営し、使う側の視点を開発に生かしている。
QUESTION 01
創業のきっかけを教えてください。
4人で始めた創業。独立を決めた経緯を教えてください。
最初の会社は、先輩方と4人で始めました。私はそれ以前に勤めていた会社に1年ちょっと在籍していましたが、社長の考えに合わない部分があり、みんなで「自分たちでやってみるか」と話したことが独立のきっかけです。前職と同じような業種で、自分たちの会社を立ち上げることになりました。
当時は、会社をつくるための手続きも今のように親切に教えてもらえる状況ではありませんでした。法務局や市役所に提出する書類について相談する窓口もなく、何度も書類を出しに行き、受け取ってもらえずに戻されることもありました。そうした経験を重ねながら、最初は合資会社として立ち上げました。振り返ると、制度や手続きを自分で調べ、試行錯誤しながら会社を始めた創業でした。
QUESTION 02
御社はどのような会社ですか?
システム開発を軸に、幅広い事業を展開されています。どのような会社なのか教えてください。
私は、当社を業務系のソフトウェア開発会社だと考えています。創業以来、製造業や流通業を中心に、企業の業務を支えるシステムを開発してきました。現在は、介護や医療の分野にも関わっており、介護施設向けにはスタッフの勤怠や労務、スケジュール、シフトなどを管理する仕組みを提供しています。介護報酬を計算する介護ソフトではなく、現場の管理業務を支えるシステムです。
システム開発と保守に加え、スマートフォンの修理や中古端末の販売などのリユース事業、レンタルオフィスの運営にも取り組んでいます。リユースはスマートフォンの修理から始まり、現在は複数の店舗で展開しています。教育事業にも取り組みましたが、現在はうまくいっておらず、実施していません。一方で、IT分野の教育には必要性を感じており、今後の福祉事業と結びつける構想を持っています。
QUESTION 03
他社との違い・強みは何ですか?
開発と現場運用の両方に関わる点が特徴とのことですが、強みを教えてください。
強みの一つは、私がつくったベースシステムを活用しながら、自社で1から10まで開発して提供できることです。既存の仕組みをそのまま使うのではなく、これまでの開発実績を生かして、お客様の業務に合わせたシステムをつくります。開発だけでなく、その後の保守やメンテナンスまで対応できる点も、当社の特徴です。
もう一つは、当社自身が小売や店舗運営を行い、システムを使う側でもあることです。レジや販売管理などを自分たちの現場で使っているため、作り手としてだけでなく、お客様の立場から仕組みを考えられます。私は当社について、「お客さんでもあるし、作り手でもある」と表現しています。現場で実際に使う経験があることは、システム開発に生かせる強みだと考えています。
QUESTION 04
どのようなお客様に選ばれていますか?
製造・流通から介護・医療まで関わっているとのことですが、どのようなお客様に選ばれていますか?
これまでのお客様は、製造業や流通業が中心でした。現在は、介護施設のスタッフ管理や、医療分野の検査業務に関わるシステムも手がけています。特定の業界だけに絞っているわけではなく、お客様からオーダーをいただくことを大切にしているため、相談内容に応じて対応してきました。分からない業界でも、お客様の業務を理解しながら支援することで、継続的な関係につながっています。
介護分野では、以前から付き合いのあるお客様が放課後等デイサービスや介護事業を始めたことをきっかけに、管理業務の仕組みを支援しました。その後、「こういう会社があるからやってほしい」と紹介を受け、同じような仕組みを他のお客様にも展開していきました。システム開発では、開発と保守をセットで提案することが多く、保守なしでもよいと説明しても、完成後の運用を考えて保守を依頼されるお客様が多いといいます。
QUESTION 05
一番印象に残っている仕事を教えてください。
これまでの仕事のなかで、特に印象に残っている案件を教えてください。
特に印象に残っているのは、ある建設会社の経理システムを入れ替える仕事です。私が若い時期に担当した大きな案件で、システムがなかなか組み上がらず、現場で厳しく指摘を受けました。帰れない、終わらないという状況が続き、プロジェクトを立て直すためにテストや回収の体制も組み直しました。最後は人をめちゃくちゃ投入して、人海戦術で対応した仕事です。
苦しい案件でしたが、その経験が、現在の技術や設計、お客様との接し方のベースになっています。最初は少人数で始まった体制を最後まで支え、開発全体を見なければならない状況になったことで、通常なら積みにくい経験を得ました。もう一つ印象に残っているのは、検査センター向けの仕組みです。PCR検査の需要が急増した時期に、約3か月で仕組みをつくり、1日に4,000検体を扱う業務を、検査によっては2倍から6倍ほど効率化しました。
QUESTION 06
今後のビジョンを教えてください。
利益だけでなく社会への貢献を基準にしているとのことですが、今後のビジョンを教えてください。
今後は、ITを生かした福祉事業に取り組みたいと考えています。具体的には、障害者就労移行支援をIT分野で行う構想です。教育事業を単独で進めるのではなく、就労に向けた支援のなかにIT教育を組み込むことで、教育の土台をつくりたいと考えています。現在は、レンタルオフィスの使い方を見直して場所を空けるなど、新しい事業の準備を進めています。
事業を考えるときの基準も変わりました。以前は、単純に儲かるかどうかを中心に考えていた時期もありましたが、現在は「この会社で社会に貢献できることはないか」と考えています。新しい事業についても、社会に貢献できるかどうかを尺度にしています。私は、会社はお金を稼ぐだけのものではないと考えるようになりました。だからこそ、今後もどういう形で社会へ貢献できるかを考えながら、事業をつくっていきます。


