中学生のとき、テーマパークに集まる人々の表情を見て、「こういう空間を作りたい」と思った。高校では野球部や学校行事で人をまとめ、やがて芸能事務所のマネージャーとして企画やマーケティングに携わる。現在のPresence株式会社では、採用や売上に関わる複数の支援を通じて、企業の成長を支えている。金子将土氏が語るのは、事業の先にある「応援される会社」と、誰もがワクワクできる場づくりである。
QUESTION 01
創業のきっかけを教えてください。
中学生のときに描いた夢は、どのように創業へつながったのでしょうか。
私が最初に「こういうものを作りたい」と思ったのは、中学2年生のときです。たまたまディズニーランドに行く機会があり、野球と学校、家の行き来が中心だった私にとって、初めて外の世界を知る体験になりました。長い時間を待っていても楽しそうにしている人や、アトラクションに乗らなくてもその空間にいることを喜んでいる人がいる。掃除をしている人の周りに人だかりができる場面もあり、空間そのものが人をワクワクさせていることに驚きました。
そこで、ディズニーランドのような場所を作りたいと思いました。社長になれば作れるかもしれないという、当時は素朴な考えが出発点です。その後、テーマパークに必要なものは何かを考え、不動産や施工、人、アトラクション、レストラン、宿泊業などを調べました。中学2年生から高校生の頃まで、テーマパークの作り方を考え続けるなかで、私が本当に作りたいのは建物だけではなく、人の笑顔や、そこへ行くことを楽しみに頑張れる環境なのだと気づきました。
その考えは、学校生活にもつながりました。クラスの中心になったり、応援団長を務めたり、文化祭をまとめたりしながら、人を動かすことやマネジメントを経験しました。野球部を引退した後は、3日後に個人事業主として開業しました。最初から現在の事業が決まっていたわけではありませんが、自分がいる場所を、みんなが笑顔になる場にしたいという思いが、創業の根にあります。
QUESTION 02
高校生で芸能マネージャーを始めた経緯は?
高校生で芸能マネージャーを始めたきっかけを教えてください。
高校生の頃、個人事業として最初に取り組んだのが、芸能事務所のマネージャーと企画、マーケティングでした。きっかけは、知り合った同級生のモデルのマネージャーを頼まれたことです。その人の母親がもともとマネージャーをしていましたが、大型イベントの時期に急きょ対応できなくなり、代わりに誰かいないかという話になりました。そこで友人だった私に声がかかりました。
私に声がかかったのは、野球部で人をまとめていたことや、学校行事で中心になっていたことを知っていたからだと思います。最初は1週間だけの予定でしたが、そこで終わりにはなりませんでした。マネージャーとして関わるなかで、企画やマーケティングにも取り組むようになり、芸能事務所の仕事が私の事業の最初のスタートになりました。1週間だけの予定が、そのまま続いていったという流れです。
当時は、芸能の仕事を家業として始めたわけではありません。野球部や学校で人をまとめた経験を見て、マネジメントやプロデュースを任せてもらったことが始まりです。その後、イベントに関わったり、企画やマーケティングを担当したりするなかで、人をまとめ、場をつくり、動かしていく仕事に自分の関心があることが分かっていきました。
QUESTION 03
御社はどのような会社ですか?
現在のPresence株式会社は、どのような支援を行っている会社なのでしょうか。
Presence株式会社は、企業の成長を支援する会社です。企業の課題の多くは、採用、売上、資金調達に集約されると考えており、私たちはその周辺を含めた支援を行っています。採用では、求人広告のコンサルティング、RPO、BPO、採用特化型SNSの運用代行、ダイレクトリクルーティング、ヘッドハンティング、社外の人事部長のような役割まで、必要に応じて提案します。採用支援と呼ばれるものを幅広く扱えることが特徴です。
採用だけで課題が解決しない場合は、売上づくりにも関わります。事業開発支援や戦略設計、アライアンス、代理店開発、営業研修、営業代行などを行い、仕組み化や組織化、定着までを支援します。採用と売上を別々に考えるのではなく、企業が成長するために必要なことを見ながら、支援の範囲を広げていく考え方です。成長に必要なことを一体で考えることを大切にしています。
また、採用や売上の支援に加えて、経営者のコミュニティにも取り組んでいます。そこでは名刺交換や営業を目的にせず、人柄を重視して関係性を築きます。カラオケ、ポーカー、旅行、ランチなど、参加者がやりたいことを一緒に楽しむ時間をつくり、その関係性のなかで仕事につながることもあります。私たちは、単にサービスを提供するだけでなく、人と人のつながりから企業の成長を生み出す会社でありたいと考えています。
QUESTION 04
ROIや費用対効果が高いのは、どういう点ですか?
費用対効果が高いと考える理由は、どこにあるのでしょうか。
私たちが費用対効果を高いと考えている理由は、最初からROIや回収を前面に出していないことです。コミュニティでは、名刺交換や営業を禁止しています。営業したい人だけが集まり、その場がリード獲得の戦場になる状態を避けるためです。投資を回収することは前提として、そこだけを目的にすると、長く続く関係性はつくりにくいと考えています。営業をしないことをルールにしているのが、一般的な交流の場との違いです。
代わりに、人柄を知るための時間を重ねます。カラオケやポーカー、旅行、ランチなど、参加者がやりたいことを一緒に行います。イベントは月に50回ほど開催しており、参加は強制ではありません。仕事の話をするために集まるのではなく、同じ時間を過ごして関係性を築く。その結果として、採用の相談を受けたり、相性のよい人を運営側がつないだりすることがあります。信頼関係ができた後に仕事が生まれるという順番です。
私は、価値は単純なコストパフォーマンスだけではなく、関係性の深さにあると考えています。経営者である前に一人の人間として関わり、本音で相談できる仲間をつくる。参加者同士が助け合い、共に場をつくっていくからこそ、短期的な名刺交換では得られない価値が生まれます。人柄を知ったうえで生まれるつながりが、結果として費用対効果にもつながるという考えです。
QUESTION 05
どのようなお客様に選ばれていますか?
Presenceの支援やコミュニティには、どのような方が参加しているのでしょうか。
コミュニティについては、会社の規模や業種、売上、資本金、従業員数だけで参加者を判断していません。数字や肩書きよりも、人柄と関係性を重視しています。参加者がやりたいことを持ち寄り、ポーカーやカラオケ、旅行などを一緒に楽しみながら、互いのことを知っていく場です。会社の規模ではなく、人柄を重視することが、参加者を考えるうえでの基本です。
一方で、参加前には私たちのフィルターを通し、必要に応じてリファレンスチェックなども行います。自分のことだけを考え、強く売り込みたい人には向いていません。コミュニティ内では営業や名刺交換を禁止しているため、すぐに商談へ持ち込みたい人よりも、時間をかけて関係性を築きたい人が参加しています。参加者同士が本音で関われる、安全な場にしたいと考えています。
コミュニティは東京、大阪、名古屋、福井、徳島、沖縄で活動しています。以前は無料で運営していた時期もありましたが、現在は有料化し、2か月間で37社になっています。スタンダードプランは月額3万5千円、ゴールドスポンサーは月額8万円、プラチナスポンサーは月額20万円です。料金によって露出などの内容が異なりますが、共通しているのは、人と人の関係性をつくることを目的にしている点です。
QUESTION 06
お客様からよくある質問を教えてください。
参加を検討する方からは、どのような質問を受けるのでしょうか。
よく聞かれるのは、どのくらいの会社が参加しているのか、料金はいくらなのか、どのような会社が多いのかという質問です。参加企業の規模や業種を基準にしているわけではなく、売上、資本金、従業員数、事業内容を参加条件として見ているわけでもありません。私たちが重視しているのは、どのような人柄で、どのように関わる人なのかという点です。
- 参加企業は何社くらいですか?
- 無料で運営していた時期には約6800社でしたが、現在は無料の仕組みをなくし、有料化しています。有料化して2か月間で37社です。数を増やすことだけを目的にせず、関係性を築ける場にすることを重視しています。
- 料金はいくらですか?
- スタンダードプランは月額3万5千円、ゴールドスポンサーは月額8万円、プラチナスポンサーは月額20万円です。ゴールドやプラチナは、会員サイトやイベントでの露出などが増えます。
- どのような会社が多いですか?
- 会社の規模や業種で選んでいるわけではありません。ただし、自分のことだけを考え、強く売り込みたい人は参加に向いていません。人柄を重視し、関係性を築ける人とつながることを大切にしています。
また、活動内容について、営業や名刺交換をしないのに仕事につながるのかと聞かれることもあります。私たちは、仕事のために関係性をつくるのではなく、まず一緒に時間を過ごし、相手を知ることを重視しています。その結果として、採用や事業について相談を受けたり、メンバー同士をつないだりすることがあります。仕事だけを目的にしないからこそ、仕事につながる場合があると考えています。
QUESTION 07
今後のビジョンを教えてください。
Presenceがこれから目指す「応援される会社」とは、どのような姿でしょうか。
私たちは、「日本一儲かる会社よりも日本一応援される会社に」という理念を掲げています。応援される会社とは、関わる人たちがワクワクしている会社だと考えています。Presenceが関わることで、企業や経営者、そこで働く人たちが前向きになり、よい方向へ進んでいく。私たち自身がすべての起点となり、関わる方々がワクワクしている状況をつくることが、これからの目標です。
その理念を、言葉だけで終わらせたくはありません。Presenceと聞いたときに、誰もが「あそこは応援される会社を目指している」と答えられる状態をつくりたいと考えています。数字だけを追うのではなく、どれだけの人が私たちを応援してくれるのか、どれだけの人に前向きな影響を与えられるのかを大切にしていきます。波動の中心や震源地のような存在になることが、近い将来のイメージです。
長期的には、テーマパークをつくるという原点にも向き合います。ここでいうテーマパークは、物理的な施設だけを指すものではありません。人を大切にし、そこに行くと楽しい、関わると元気が出ると思ってもらえる空間も含んでいます。中学生の頃に抱いた「人の笑顔が見たい」「ワクワクする空間をつくりたい」という思いを、会社の事業やコミュニティを通じて形にしていきます。
QUESTION 08
代表への属人性をどう仕組み化しますか?
金子さんへの属人性が強い事業を、どのようにPresenceの仕組みに変えていくのでしょうか。
現在の課題は、どこまでいっても私への属人性が強いことです。特に上流の相談では、「金子に会いたい」「金子を出してほしい」と言われることがあります。私は新しい事業を立ち上げ、仕組み化して任せ、また次の事業を立ち上げるという動きを続けてきました。しかし、事業同士がつながっているため、上流に大きな企業や役員の方が出てくると、私の名前が求められます。主語を金子からPresenceに変える仕組みが必要です。
仕組み化は進めていますが、私自身が人に会いに行きたくなってしまうことが難しさでもあります。地方のイベントはメンバーが主催する形に引き継いでいますが、結局は私も顔を出してしまい、私に依存する状態をつくってしまう。呼ばれれば会いに行きたくなり、オンラインよりも対面で相手を大事にしたいと思うからです。自分で自分の首を絞めている感覚もあります。
だからこそ、個人の魅力だけに頼るのではなく、イベントの運営や顧客との関係づくりを、Presenceとして再現できる形にしていきたいと考えています。私が新規事業の最初の部分を担うことはあっても、その後の運営や成長はメンバーが担える状態をつくる。金子と一緒にいるから楽しい、仕事につながる、ビジョンが見えるという価値を、会社そのものの価値として積み上げることが今後のテーマです。


